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オンラインでもコミュニケーションを活発にするファイブフィンガー

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目次 ファイブフィンガーとは チームのコミュニケーションを活発にしたい悩み どうファイブフィンガーを取り入れたか オンラインでのやり方 柔軟にチームの状態が把握できる効果 まとめ

一昨年からデイリースタンドアップで、ファイブフィンガーを取り入れてきました。スタンドアップがオフラインからオンラインに変わるという変化も経験しました。

しかしメンバーの評判がよく、コミュニケーションが活発になる効果を感じたので 1 年半続けてきました。チームはミッション完了で解体されたので今はやっていませんが、これまでの試みをまとめます。

ファイブフィンガーとは

ファイブフィンガーとは、個人の気持ちを 5 本の指で表明する手法のことです。スプリントや仕事の今の状態を、自分の指で表明します。

『カイゼン・ジャーニー』や、『正しいものを正しくつくる』で紹介されています。

ファイブフィンガー

  • 5 本:とってもうまくやれている
  • 4 本:うまくやれている感触あり
  • 3 本:可もなく不可もなく
  • 2 本:不安は少しある
  • 1 本:全然ダメで絶望的

周りのメンバーの考えに左右されないことが大事で、全員で一斉に同時に出します。

自分の気持ちと向き合うため 30 秒は考える時間をとったほうが良いと思います。とはいえ、いろいろ考えすぎて、自分の気持ちが見えなくなるのも困ります。

メンバーに声をかけつつ調節しましょう。

一番少ない本数を出したメンバーから意見を聞いていきます。意見の否定は絶対に禁止です。ネガティブな発言をすると、メンバー萎縮して誰も本音を話さなくなります。

チームのコミュニケーションを活発にしたい悩み

当時のチームメンバーは、4~6 人程度で変動していましたが、基本エンジニアのみでした。

  • エンジニア: 4 ~ 5 人
  • デザイナー: 0 ~ 1 人

チームを立ち上げたばかりで、一部のメンバーしか面識がありませんでした。そこで仕事以外の雑談のきっかけを作り、コミュニケーションを活発にできないかと悩んでいました。

ほとんどの仕事で発生する課題は、コミュニケーションロスからきており、話やすい関係になれば自然に解決につながります。2021 日本労働調査組合の調査でも、職場の人間関係が「良好」と感じているのは約 3 割しかいないと示されています。

そんな時にカイゼンジャーニーを読んで、わかりやすいプラクティスだったので、試してみることにしました。

その後メンバーにコンセプトを説明した結果、すぐやってみることになります。

どうファイブフィンガーを取り入れたか

  1. ファイブフィンガー
  2. 昨日やったこと、今日やること、現在困っていることを一人ずつ共有
  3. 各自で共有すべき情報などあれば共有
  4. 今日の MTG とか予定の確認

毎日やることでチームの状態をこまめに把握できるので、デイリースタンドアップでファイブフィンガーを行います。

アイスブレイクも兼ねて、最初に持ってきました。メンバーが揃い次第、「ファイブフィンガーをします。今日のコンディションを教えてください。」という声かけをします。

セオリーに沿って、一番少ない本数を出したメンバーから意見を聞いていきます。3 を出す人が多くなったり、マンネリの気配を感じたら、テーマを変えることがおすすめです。

  • 「タスクの状態はどうですか?」
  • 「このプロジェクトはうまくいきそうですか?」
  • 「今のチームの状態は?」

チームの状態に合わせて柔軟にテーマを変えることで、今知りたいことを聞くことができます。いくつかテーマを見つけたら、それをローテーションで使うのもいいでしょう。

ファイブフィンガーが終わったら、昨日やったこと、今日やること、現在困っていることを一人ずつ共有していきます。

オンラインでのやり方

オンライン MTG ツールは Google Meet だったので、Meet のチャットを使っていました。みんなの本数が心の中で決まったのを確認して、「せーの」で一斉にチャットに 1 ~ 5 の数字を投稿します。指を実際に画面にうつすのではなく、数字で簡略化しました。

画面を On にして指を出すことも考えましたが、毎回全員が画面を On にするハードルが高いと判断し見送りました。子供とか同居している人がいると、背景とか気にすることが増えます。

他の方法として、Google Meet のアンケート機能を使った時期もありましたが、下記理由からチャットになりました。

  • アンケートは作成したホストが投票できない
  • 毎日似た様なアンケートを作成するのが手間

柔軟にチームの状態が把握できる効果

このプラクティスの良いところは、テーマが柔軟に変えられ 5 段階でわかりやすいことだと思います。

チームに余裕がある時は、「今日のコンディションを教えてください。」というテーマで「今日は新作ゲームを買ったので、頑張って仕事を早く終わらせたいので、5 です。」といった回答から雑談に繋がるケースも多くありました。

プライベートも少し垣間見えて、メンバーの趣味や性格も見えてきます。はっきりとコミュニケーションが増えました。

一方でリリースが近くなってきた時には、「タスクの状態はどうですか?」といったテーマで、困っている気配がないか把握できます。チーム内で知見があれば、朝会後ちょっと話して解決に繋がるケースもありました。

まとめ

メンバーが入れ替わるたびに、コンセプトとやる意義を説明して継続してきました。

メンバーからもやってよかったという意見や、初めてやったメンバーがチームから離れた後ファイブフィンガーを広めてくれている姿から効果を感じています。

しかしオンラインでのやり方にはまだまだカイゼンの余地があると思います。これからもチームパフォーマンスの最大化のためにカイゼンを続けていきます。